じべ。さんの目
2010年5月3日 19:10:34
(左から、じべ。さん、鈴木邦男さん、吉本さん、高木、設樂秀行さん。前列あべあゆみ)
『今回もヤられた、感服!』
まずは入場時、入口で料金を払って奥のスペースに入る時に黒い幕があり、
ここに来るのが半年ぶりだったこともあって
「どっちだっけ?」などと惑わされてから(笑)入場し呆気にとられる。
まるで耳なし芳一の身体の如く、10cm角くらいの大きさの文字で
文章(高木主宰による劇団論的なもの)が綴られた白い布によって壁・天井のみならず床まで(!)覆われている…。
ある意味桟敷童子と同系統の趣向ながら、意外性もあってアチラを上回ったかも?
で、いつもの鈴木邦男氏が大阪での仕事により間に合わないとのことで、
見沢知廉のドキュメント映画を撮影中の大浦信行監督を迎えてのプレ・パフォーマンス・トークに続く本編は、
新型零戦を開発している整備士や航空隊員・隊長の物語…ではありながら敗戦色濃い第二次大戦末期には見えず、
パラレルワールドの未来の日本のようにも見え、『スカイ・クロラ』(未見だが(爆))的世界のようにも見え、
しかしそんな時代的考察はほとんど意味をなさず。
なぜなら表面的にはそうであってもそれは暗喩・隠喩であるから。
そしてその暗喩・隠喩は「マグロとパソコンを置き換える」なんてヤワなものではなく(笑)
観る側の解釈の余地が非常に大きくて十人十色どころか百人百様の受け止め方がありそうだから。
その余地の大きさにより観ながらあれこれ考えていると頭脳がオーバーフローしそうになるので、
途中からは敢えて読もうとせず「考えずに感じるまま」観ていたくらいで。
これがまた、ボーマン船長が光のあふれる中に飛び込んだ如く、
感覚に直接シャワーを浴びているようで心地好い。
そうして迎えるラストは劇中での役を脱ぎ捨てた出演者自身にもつながって行き、
劇団再生としての劇団論的なもので締めくくるワケで、このテーマも好きな身としてトドメをさされる。(笑)
いやぁ、今回もヤられたなぁ、感服!
さらに終演後は遅れて到着した鈴木氏を迎えての
ボーナストラック的なアフタートーク(約25分)もあって、おトク感満載。