『一握の言葉』

2010年12月23日 22:52:42

志あらば叫びもできるがと 「嘔吐」片手に隣人が笑う

身を起こし銀のコインをもて遊ぶ 涎と汗と不安のベッド

一枚のコイン投げ上げ時測り 裏か表か昨日を占う

いつ見ても素っ裸の街見下ろして 拒まれながら言葉の手をひく

かくばかり重き痛みが夢を狩る 言葉お前の名を呼ぶばかり

年聞けば61と髪を掻き 昔は俺もと本投げよこす

富士を望み十二階の空手を広げ 寂しからずや一握の本