9月なんてすぐにやってくる。『天皇ごっこ』だ。見沢知廉だ。

2011年2月4日 21:32:39

あの喪失の一日から追い続けてきた。
2005年9月7日から、休むことなく彼を追い続けてきた。
2011年9月、今年だ。9月、書かねばならないことを書く。

2007年、氏の三回忌追悼公演のことを思い出す。
真夏の稽古場、接待につぐ接待、たくさんの関係者。
そうだ、その時の『天皇ごっこ』で書こうと思って書けなかった一言。

あれから4年か。
とうとう書かねばならないか。

熱は上がったり下がったり。
熱は下がったり上がったり。
薬を飲めば体の中で何かと何かが戦うのを感じる。

画が目の前でぼくを圧倒する。
今年9月、前回利用させていただいたAPOCシアターでの公演。
あの劇場に、前回以上の圧倒的な圧力を持って、空中に海を創りだす。

そうだ。海だ。海が必要なんだ。
ぼくたちが安心して浸っていた羊水の海。

くそっ、頭が回らん。
文章が支離滅裂じゃないか。誰もぼくに接続するな。誰もぼくの「ここ」に入ってくるな。そんな形而下に汚れた足でここに来るんじゃない。わがままだろうが利己的だろうが身勝手だろうが必要ならばぼく自身がぼくというあなたに無理やりにでも接続する。暴力的な力を持って接続する。だからそんな形而下の汚物をぼくに見せるな。

北一輝とルターとツヴァイクを同時に読んでいるからなのかひどい頭痛だ。そうだ、

9月までにやることが山ほどある。
たくさんの能舞台を観に行こう。
今年も佐渡に行こう。新潟の安吾記念館にも行こう。
久しぶりに青森斜陽館を訪れよう。その足で寺山修司記念館にもだ。
温泉にも行こう。たくさんの画を観よう。
倉敷もご無沙汰している。京都奈良と1000年を歩き人里離れたお気に入りの海辺の宿に足を休めよう。その露天風呂から海を観よう。
そういえばその宿で以前読んだのは北一輝だった。
9月までにやることがたくさんだ。池袋のおいしいカレーを食べに行こう。吉原にも行こう。箱根にも藤沢にも行こう。

演劇に関係ないことで予定がいっぱいだ。
だから、ぼくは今日の夜を愛おしく思う。

くそったれの発熱さえ愛おしく思う。
携帯の電源を切りとばし、読書用眼鏡をかけて、三冊の本を同時に読む。
ヴィクトリカの得意技だ。やってみればぼくにもできる。

なんだってできる。

見沢さん、なんだってできるんですよ。
見沢さん、なんだってできるんですよ。
見沢さん、だから、なんだってやるんですよ。

ぼくは。