体の言葉

2011年6月19日 18:05:30

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毎週土曜日は、劇団再生の稽古だ。
午後から夜まで、長いと言えば長いが、あっという間の時間でもある。

作品を一本創っている。
いつでも本番にかけられる。いつでもどこでも上演できる作品だ。

この日は、メイクテスト。
こうして、俳優の体に文字を書くこともある。

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宮永歩実の背中に経文を書いていく。顔にも書いていく。
こうして描くことは好きだ。下書きなしの一発本番。体の動きを計算する。
表皮の下の筋肉がどう動くか、それを考える。計算しながら、文字を描いていく。

描きながらいろんなことがフラッシュする。
色が欲しいな、とか、大きなシンボルが欲しいな、とか、このまま刺青にでもしたいな、とか。
そして、この日は、梵字を描こうと、描いた。

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こんな仕上がりだ。
全身に描いてみたいと、欲望が湧き上がる。
全身隅々まで、言葉を描きいれていきたいと思った。

体に、言葉を描き刻む。それが、ぼくの脚本だ。

6月19日、太宰治に言葉を手向ける。

目を閉じ言葉を手向ける。