コトバと本を読んでいたら雷がなった
2011年8月8日 20:26:38
横になり本を読んでいるぼくのお腹の上をコトバが歩いていた。
お腹から、わき腹に歩いて、ちょん、と降りた。
とことこと顔の方に歩いてきた。
本を読むぼくの耳をつついた。
くすぐったくて顔をそむけると、今度は髪の毛をついばむ。
髪の毛ならまあいいか、と読書を続ける。
ぼくの周りを歩き回っていたコトバは、またお腹の上に飛び乗った。
お腹の上を歩いて、わき腹から飛び降りて、とことこ顔に向かってくる。
一体何をしたいのかわからないけど、繰り返すコトバ。
コトバ君、コトバ君、ちょっと熱があるんだ。
何か食べた方がいいね。
そう言うと、空に雷が鳴った。
コトバが、飛び上がった。止まり木にとまり、じっと空を見る。
見る間に暗くなる空。雷が続く。雨が落ちてきた。
コトバが、じっと空を見ている。目を丸くして、空を見ている。
コトバ君、コトバ君、熱が出てるんだ。
何か食べて、薬を飲んだ方がいい。そしたら、また一緒に本を読むか。
コトバ君、と呼びかけると、「きゃきゃ」とこっちを向いた。