見沢さんの墓参り

2011年8月17日 19:37:05

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見沢さんの墓参りは、いつも晴天。

ずっとそうだった。ぼくが、墓参りをするようになったのは、2007年4月からだ。
それから毎月欠かさず墓参りをしてきた。ずっと晴天だった。丸4年、毎月晴天だった。
太陽が嫌いだったという見沢さんなのに、不思議なことがあるもんだな、と思っていた。

2007年、三回忌追悼公演をし、それから毎年見沢作品を上演してきた。

今年に入って、あれは何月だったか、小雨降る日があった。
いよいよ晴天記録も終わりか、と思った。そして、先月の墓参りは、土砂降り。
三回忌から七回忌の4年間、よくぞ晴れたものだ。これから、13回忌までの6年は、雨か。
そう思った。思ったけれども、今月の墓参りは、晴天。

先日、お参りした。随分前に予定は決まっていた。
同行される方がいたからだ。上京するので、お参りしたい、と。じゃあ、ご一緒しましょう、と。
初めてお会いする方だけれども、お名前は存じ上げていた。
よど号の妻。そう言えば、わかるか。見沢さんとは? と、そこから話が弾んだ。

1994年12月に千葉刑務所を出所した見沢さんは、翌年北朝鮮を訪れた。
その時に出会ったとのこと。見沢さんとの思い出話が墓前に舞う。

にこやかに話されるのだが、そのなんという激動。共和国での暮らし。
日本とアメリカの政治に翻弄され続けた20数年間。こうして、直接お会いしないと、

そんな話は聞くことができないのだ。
その価値の大きさを感じる。

その方に、これまで一度も口にしたことのない計画を話した。
口にしたら本当になるから、自分の中に育つまで秘しておこうと決めていた計画。
それを、口にした。その方のにこやかな笑顔の奥のあまりの強さに負けじと口にした。

晴天の本駒込。
その計画も、口にしたから、きっと本当に実現するだろう。
今月も見沢さんの墓参り。

見沢さん、来月は、舞台の幕が上がるはずですよ。