なんてことないが、電車でガラスにうつるぼくを見た
2011年11月10日 23:51:14
あっ、もうダメだ
と瞬間に感じ
そう感じたら
やはりもうダメなんだ
その人ときれてしまうのである
それまでがどんな関係であったとしても
『あっ』
と思う瞬間が来たりするのだ
それは
普段の生活の何気ないヒトコマであったり
或いは
稽古場での瞬間の表情であったり
会話をしている二人の関係の秒針であったり
まあ
なんにせよ
そんな瞬間が来たりするのだ
きっかけは、無い、に等しい。
感触、としか言いようがない。「あっ、こりゃだめだ」と
とはいえ
これまでの40数年
相手からきられたことの方がそりゃ多い
そんなことばかりだ
たくさんの人と出会いながら
今ではほとんど付き合いがない
ある瞬間にぼくはきられてきたのだ
とはいえ
ぼくも誰かをきることがある
きれたら
さすがに二度と再び繋がるものではない
そんなためしはかつて一度もない
きれたら終わり
そのあとはアリバイ的な付き合いが続いたりもするが、
時間を無駄にするばかり
そうして、いつしか終わるのだ
どうにかして、きれた「何か」を修復しようとは思わない
それはぼくの性質だろう
終われば終わる。きれればきれる。きれたら終わり
そういえば、そうやってこれまできたんだな、と思った
電車のガラスにうつるぼくの顔は、酷い顔だった