支配者の心理は、つねに、二つの相反する矛盾に裂かれている。
2012年4月1日 01:20:17
ひとたび発言すれば、
その言葉が巨大なピラミッドの底辺まで
服従と畏敬の裡に拡がってゆくさまを眺める一種残虐な快感と、
見渡しがたい底辺の何処かに抵抗と反乱の声が起こってきはせぬかという不安である。
不安は消えることもない。
何故なら、支配者とはそれ自身だけでは、殆ど無だからである。
ちょうど文学がひとりの個人が感じ、
見たところのものの延長にのみ築きあげられるのとはまったく対照的に、
政治は自らが感じ、見たところのものではなく、
他人が見て感じたところのものの上にのみ支えられている。
そこでひとびとは、他人の思想を自分の言葉として話す。
この<他の思考>が政治の原理である。
人間が革命ととらえようとするとき、まさに逆に、
革命が人間をとらえること
これが、私たちの歴史の上に示された冷厳な革命の力学である。