はたして、ぼくに俳優という戦闘ができるだろうか
2012年7月9日 22:01:17
ぼくは演劇の敵なんだ。
中でも小劇場と呼ばれる演劇集合の。
ぼくはずっとそうだったんだろう。
それほどぼくは演劇を『愛して』きたんだ。
そして、その「理由」のために、ぼくは演劇の敵なんだ。
愛憎。なんというおぞましい字面。
不正を追及すべきなんだろうな。
正しくないことを追及するに、同じ思いを持つ人がいるだろうと思っていたが、
どうやら、ここいらにはいないらしい。
見通しが甘かった。
正しいことを正しいと行動することが芸術だと思っていたのだが。
仲間が欲しい、と思ったことは、素直に反省しよう。
意識が肉体から少しはみ出した。
たった一人の居場所。
誰も侵すことのできない場所。
そう、一人だ。
絶対不可侵。
言葉と本と武器が散乱する、ここ。
一人の場所。
にやりと笑ってみる。武器はそろっている。
誰一人入ることが許されない、この場所。この部屋。
絶対不可侵のこの部屋で、演劇を撃つためのそれを磨きあげる。
太宰がいる。
芥川がいる。
壇がいる。
透谷がいる。
有島がいる。
火野がいる。
三島がいる。
川端がいる。
見沢がいる。
先生がいる。
自殺を選んだ戦闘者たち。自決を選んだ照準者。自害を選んだ標的者。
ぼくは、この一人の部屋で考え続ける。
ぼくは、間違っているか。ぼくの方法はバカなやり方なのか。
正しさは相対的なものか。正しさは例外を認めるか。正しさは、許容されないのか。
一人。
充分だ。