音響の大和二矢さんと打ち合わせ

2013年7月17日 22:47:46

いつも決まってこんな時期だ
作品発表まで数日と迫ったギリギリの時期
大和さんにはいつも申し訳なく思う
もっと早くあれこれ決めて打ち合わせの時間を作れれば
大和さんもその後の作業を余裕をもってできるはず
それは良くわかっているのだ
ずっと長い期間「音響」という仕事に携わっていたぼくだからこそよくわかるのだ

そう思ってはいても結局いつもこんな時期になってしまう
すみません、大和さん

大和さんに「打ち合わせ」をしましょう、と連絡すると
大和さんはいつも呑気な声で「はいよー」と返事をされる
続けて、「じゃあまた真夜中にね」と

そういえば大和さんとの付き合いも随分長くなったな
いつからこうして音を任せるようになったのか思い出せない

あと一時間ほどで真夜中がやってくる
そして大和さんもやってくる
脚本をはさみ一曲ずつ確認しながら打ち合わせを進める

「へー、高木さん、ここ、この曲なんだ」
「だめかなあ?」
「いや、いいよ! なんというか勝負にでたなあ、と思ったんだ」
「勝負と言うか、ほら、画がさー」
「で、ここは、若林さん(照明家)に合わせればいいね」
「うん、そうだね、というか、任せるよ」

なんて会話が真夜中に交わされることだろう
大和さんと音楽を確認する
曲の入やアウトを確認する
一曲一曲の音量を統一しノイズを切っていく
波形を眺めながら音質を調整する
大和さんは煙草をくわえ勝手にコーヒーを淹れる

音響の編集
案外待ち時間が長いものだ
一曲聞くだけで3分から長い曲だと6分10分と
その間波形をチェックしたり脚本に書き込みをしたり

大和さんとの真夜中がやってくる
本番直前に劇場のミキサー卓の前にやってきて
終われば音もなく帰っていく大和さん

「脚本? いらないよ。舞台を見てればわかるよ」

と強がる大和さん
「じゃあ、脚本はなしね」と言うと、
「いや、念のため、見ないけど、一応、ほら、なにかあったら、あれだから、ちょうだい」

と脚本をほしがる大和さん
そんな大和さんとの打ち合わせを一時間後に控えている
自信満々の顔で真夜中をものともせずにやってくるだろう

音響の大和さんがやってくる