『デミアン』 著/ヘルマン・ヘッセ 訳/実吉捷郎

2006年4月29日 20:50:01

はい、
ノーベル文学賞作家シリーズに
戻ってきました!
(どうでもいいか・・・)

『デミアン』
著/ヘルマン・ヘッセ 訳/実吉捷郎

ご存知、ヘッセのデミアン!
ふっと、
手にして改めて読んだわけですが、
やっぱ、凄いや・・・・

まず、命題がはっきりしている。
その命題の展開が緻密で冷酷。
命題の存在理由が社会的に
また歴史的に
「存在せねばならない」命題。
ん、すごいなあ・・・・
ヘッセが、この「デミアン」で
展開し続ける命題は一つ!

「人間の使命は、
おのれにもどることだ」

長くなるかもしれないけど
紹介するね。

これは、

語り手の青年ジンクレエルの自己探求の物語だ。
父母のちいさな「正しい世界」の
外側をかいま見る少年時代、
既成の価値観を受容できずに荒れ、
自分の感性をたよりに理想を追い求め、
自分を傷つけながらも
自分の内面を見詰め直す青年時代。
そして、自己をみいだしたときに
体全体にみなぎるパワーと歓喜。
少年期のにおいたつような追憶、
嵐のような青年期の放蕩と混乱、
霊的な初恋などの描写。
さらに、
この作品は隠れた真実や無意識の願望の
「謎かけ」や「暗示」に満ちている。
既成価値や世間への違和感、
自分は特別な存在であるという自意識、
一方で密かに自分をさいなむ劣等感や罪悪感。
心理学的な「解釈」をするなら、
超自然的な雰囲気をたたえ、
ジンクレエルを導く
謎の青年デミアンは
ジンクレエルのアルター・エゴ(alter ego)であろうし、
結末でジンクレエルが瀕死に陥るのは
デミアン=分身との同一化を果たし、
本来の自己として再生するためのいわば
必然的なプロセスでなのであろう。

しかし、自分の中に静かに脈動する生命力が
「本来の自己」という形を得たとき、
人はこのいのちという奇跡を、
何も恐れることなく
十二分に「生ききる」パワーを得るのだ。

ん、すごいなあ・・・・・・・・・