口をついて出るのは一篇の詩、煙草の煙に似て、言葉は消え残り残りながら死んでいくのだ。ぼくはぼく自身の声に不意をつかれる。「さあ、行くか」、なるほど待ってられないんだもんな。こんなに待ったのに。こんなに待ったのに。

2014年2月22日 23:00:54

だが本当の旅人とは旅のために旅する人
心も軽く風船のように
旅の行き先などとんと無頓着で
わけもなくただいうのだ 進んでいこうと

欲望をむき出しにして 移ろいやすく
不確かだがすさまじい快楽を夢見る
まるで戒律を書き集めるかのように
そんな人間を何と呼んだらいいか 誰も知らない