偉大な夜

2014年2月25日 23:19:30

旋律と戦慄が同音であることのぼくたちの意味。
死と詩がまた同音であることのぼくたちの意味。

ぼくの前でくるくる回るレコード盤。
森田童子がくるくる回る。
丸いレコードがくるくる回る。

そうだ、ぼくは偉大な夜を知っている。
そして、安心して眠る夜も知っている。

森田童子がくるくる回る。

「ひとりで生きてきたことの淋しさに気づいた
今すぐ海を
今すぐ海を
見たいと思った」

行きどまりの海でぼくはふり返る

真っ黒なレコード
1978年7月29日東京カテドラル聖マリア大聖堂でのライブ盤
森田童子が刻まれた溝

森田童子が歌う。
CDには収録されていない森田童子の語りが静かに夜を回る。

燃えるように赤い5月の空は傷ついたぼくたちの沈黙です。

言葉の空にぼくは沈黙する
言葉の空にぼくは窒息する