2014年11月17日 23:23:37

10代、ぼくは学生だった
中学や高校に通った。あまり勉強をした覚えはない。案外できた子だったのだ。
思いでは、多い。やはり音楽に関わることだ。
あれほど毎日一人で練習した時期もないだろう。
ギターやピアノ。練習ばかりしていた。上手くなりたかった。
バンドを組み、練習やライブに熱中していた。騒動や問題も起こしたが、そんな時代だ。
夜には本を読み、友達と長電話をし、高校では舞台にもたった。
今から思えばよくそんな時間があったものだと思うのだが、あれもこれもできたんだ。

20代、東京に夢中だった。
毎日本を読み、アルバイトをし、バンドをし、演劇に関わり、音響だの作曲だのと走り回った。

30代、ずっぽりと演劇というものにはまりこんでいた。
脚本を書いたり、音響をしたり、作曲をしたり。
やれることが少なくなってきたことがわかっていた。

40代、今はどうだ。年に数本の作品を創るだけで、息も絶え絶えだ。
単純に体力の問題だろうか、きっと違うだろう。
環境と状況の問題だろうか、それも一因としてあるだろうが、それだけではない。
では、創るものが、「数」よりも「質」になっているのだろうか。
そうだ、と言ってくれる人もいるだろうが、
10代のバンドも20代の音響も、今と同じように数よりも質を求めていたではないか。

10代、20代、30代、そして40代、と10年ずつ振り返ってみた。

10年、という長さ。そして、短さ。
それを考えさせられる人と会い、話した。
彼は、
10年という時間を、10年という時代を、10年という儚さを、
10年という価値を、10年という言葉を、確かに体験し、今、生きているのだ。

彼を前に言葉にならないことも多く、
けれども、彼と話すことの楽しさにぼくの細胞がはしゃいでいた。

10年という時間。
ぼくは、何をしてきたのだろうか。
ぼくは、何をしているのだろうか。