『ダーウィン』【人類の知的遺産47】

2016年3月13日 18:23:47

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ダーウィンを見ると思い出す

『ガラパゴスの箱舟』、著者は、カート・ヴォネガット。

一体何年前に読んだのか思い出せないけれども、好きな小説であり、泣いたのだ。読み返したいと思いながら、何十年も手が出ない本。こうしてダーウィンに触れてみると、巨大な郷愁とともに思い出す一冊。ヴォネガット独特のドライな文体。皮肉と愛に溢れた言葉。読者との有機的な繋がりを望んでいるのか拒んでいるのか、読みながら距離的混乱に陥ってしまう行間。それでいて、なんというか大きな手の平の上にいることを許されているような安心感。同時にそこにいることの不安を隠させない独特の空間。実は、あまり人には教えたくない小説なんだ。

そして、やっぱり、丘浅次郎からの北一輝。

なんにせよ、ダーウィニズムが世界に与えた影響はあまりに大きい。

ダーウィンに関しての詳しい論考はさておき、読むと面白いですよ。『種の起源』はもちろん、おすすめは、『人間および動物の表情』。たくさんの挿絵があり、それを見ているだけで面白い。 中でも是非見て欲しい挿絵は、

「正常ではない婦人の写真」、というもの

その「正常ではない婦人の写真」の下に、「毛髪の直立」と、一行の注釈がある。

 

 

それは、ただの逆毛なのだが・・・

 

 

正常ではないらしい・・・