語る、一人、墓前

2017年2月23日 21:40:28

はたから見ればどうでもいいこと

もっと上手いやり方があっただろうに

もっとやりようがあるだろうに

周りから愛想をつかされ

売られた喧嘩は買ってやると愛想をつかし

わずかな友人にだけ愛想という愛想を尽くしに尽くし

暇を持て余し

じゃあまあ脚本でも書くかとペンを取ればい誰一人そこに人は見えず

30数年住み続けた東京にこうべを垂れ

20数年書き紡いだ脚本にひざまずき

10数年照準した作品に感謝した

Take me to the end of the world

Take me to the end of the words

 

見沢さん、ほんとに夢中で走り抜けた日々でしたよ。日常の何もかもを引き換えにして。あんなに夢中になれることなんかこの先ないんじゃないかな。見沢さんが生きて死んだから、ぼくは見沢さんを越えられたんです。越えた? ええ、越えましたよ。あなたの数々の言葉を正しく止揚しました。今のところ、これ以上のアウフヘーベンはありません。そうですね、例えばぼくが死んだら。そして、止揚された見沢さんの言葉に対して、ぼくの人生を対自させてくれる人がいたら、もしかしたら、もっと高い言葉に行き着くことができるかもしれませんね。

一人でいること

見沢さんはそれに耐えられませんでしたね。わかりますよ。ほんとうにわかりますよ。

まあ、なんにしても十三回忌。

その舞台ももう出来上がりました。完全に、です。脚本も演出も美術も装置も手法も。当日の入り時間すら、正確に答えることができますよ。ほんとに。

9月か。10年前を思い出すが、また台風じゃないだろうね、見沢さん。まあ、いいけど。