『イナイ×イナイ』森博嗣

2007年5月31日 03:00:26

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病院に行く途中に、書店があります。
片足を引きずりつつ、中を覗きます。
今日はたくさんの新刊が入荷していました。
漫画・新書。

特に特徴のある書店ではないけれども、
押さえるポイントはきちんとおさえ、
そして、
店長の発案なのか、
週替わり、月替わりで
なかなか面白い企画を組んでいたりします。

外から見える部分に
そんな企画の本をディスプレイしてあります。

さて、ぐるりとまわると、
森博嗣さんの新刊が。

『イナイ×イナイ』
森博嗣

彼の第一作目から全て読んできた身には、
内容がどうであれ、
読まざるをえません。
ということで、購入し、
病院の待ち時間と帰りの喫茶店で、読み終えました。

森博嗣作品には、いくつかのシリーズがあります。

本作は、どうやら新しいシリーズ。
事件が起こり、謎があり、解決にむかう、
という当たり前の物語、王道。

では、この新シリーズのキャラクタはどうか。
性格付けに性急な筆を感じますが、
森博嗣らしい、数人の登場人物。
今後、このシリーズの常連であろう彼らは、
少し読者に媚を売っていますが、
なかなか、好ましい。

トリック自体は、どうということもなく、
途中でわかったりしましたが、
このシリーズが4作5作になっていくときの
これまでのシリーズとの絡みが楽しみです。

多分、これまでの20作品に絡んでくるのでしょう。

ということで、
具体的な内容は、どうでもよく、
すでに忘れかけているくらいですが、
期待のもてるスタート作品です。

病院では、整形外科のせいか、
うめき声や苦痛の声が聞こえてきたりします。
その声が、この作品の地下のシーンにシンクロして、
待合室は、ちと怖かったのでした。

包帯をぐるぐるっと巻かれた膝をみながら、
医者に、
「内出血のとこを触ると気持ちいいですね!」
と言うと、
「触らないほうがいいですね」と、
突き放され、

しかし、怪我ってのは、面倒だなあ、と。