芸術に憧れ、その行為としての書くという、こと。
2007年6月19日 23:33:29
万年筆という凶器、
とここまで書いて、あっ、と、手が止まった。
目の前には、書きかけの原稿が散乱し、
その周囲には資料や参考図書が山積みになり、
反故にされ、くしゃくしゃに丸められた原稿用紙を
コトバがつつき、
凶器・・・か・・・、と。
この一本の万年筆で一文字ずつ、
書いていく。
一文字は一行になり、
一行は一枚になり、
一枚は、一つの舞台となり、
一つの舞台は、
自分の心臓に風穴を開ける一発の銃弾となる。
そうなんだ、はたと思考が止まる。
自分の心臓を打ちぬくための一文字だったんだ・・・
自分を殺害するための言葉。
自分を抹殺するための凶器、万年筆。
演劇という具象に転化されたゆるやかな自殺。
万年筆という凶器、
続けて書こうとしたのは、
「血の色はブルーブラック、
飛び散り、現場に残された血痕は、言葉」
と、推理小説タッチで書こうとしてたんだ。
水男という名の万年筆を握り、
今日も一文字、
数日後には、3万もの文字群が原稿用紙を埋めるだろう。
そうだ、死ぬために、書くんだ。