『香水―ある人殺しの物語』著/パトリック ジュースキント_訳/池内 紀

2007年6月25日 22:47:19

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湿度は完全に100%になるのかな、と
考えながら、あちこちのHPを更新をしていく。
湿度をそうやって百分率で表示・伝達するようになって
どのくらい経つのだろう。
そも、その計算の根拠は?と・・・

目の前の3台のマシンは、
当然ネットにつながっているので、
簡単に調べられるはずだけれども、
もう少し、自分ひとりで楽しみたいので、そっと。

湿度を計測する境界条件はいくつかあるはず。
その条件がないと、100%なんかすぐにでちゃうし。

ん、もう少し、一人で楽しむか。

と、こんな一冊、なのだけれども、
これは映画になってますね。
その映画ポスターを見たときに、
今から20年近く前に読んだ本を思い出したんです。

タイトルは、確か「香水」
作者は、フランス人。
白っぽい表紙のハードカバー。
シュールな内容で香りを描いていたことだけは
はっきりと記憶にあり、

映画ポスターを見たときに、
もしやそれが原作か?と思ったものです。

でも、どうも違うようです。

『香水―ある人殺しの物語』
著/パトリック ジュースキント_訳/池内 紀

「舞台は18世紀のフランス。
町は汚穢にまみれ、至るところに悪臭が立ちこめていた。
そこに、まったく体臭のない男がいた。
男にないのは体臭だけでない。
恐ろしく鋭い嗅覚と、においへの異様なまでの執着以外に、
男には何もなかった。
物語は至高の香りを求めて、
めくるめくにおいの饗宴が繰り広げられる。
ドアノブのにおい、石のにおい、花の香り、動物のにおい、
果ては目立たない人のにおいに至るまで、
ありとあらゆるにおいが立ちこめる。
登場人物も、究極のにおいの美少女以外は、
主人公も含めて恐ろしくグロテスクである。
まさしく魑魅魍魎。
裏道、闇、疫病、屠殺、汚濁…にもかかわらず、
なぜ本書からは恐ろしく魅惑的な香りが立ちのぼってくるのだろうか。

十八世紀のパリ、次々と少女を殺してはその芳香をわがものとし、
あらゆる人を陶然とさせる香水を創り出した匂いの魔術師の冒険譚。」

意欲的な作品です。
原語で読みたい一冊です。
翻訳をされた方の労力に感謝しながらも
やはり、原語で読みたい。

翻訳された本書は、やはり、空気がない。
空気がないと、やはり、香りがない。
香りがモチーフの一つであるにもかかわらず・・・・

それは、もちろん当然翻訳者のせいではなく、
自分が日本語以外を解さない故であるし、
想像力の欠如なのかもしれない。

そうそう、好きな作品ですよ、念のため。
日本語の本書をもう一度読んでみようと思います。

さて、20年前のあの一冊はどうなったか?
もっと薄い本で、濃度の薄い空気の流れる本で、

と、アマゾンで探してみたりしたけれど、ない・・・
タイトルに記憶違いがあるのか、
すでに世の中にないのか・・・
あるいは、自分の妄想か・・・

いや妄想じゃないな。確かに読んだ。
そして、フランスをリアルに見たんだ。