高木ごっこ・・・281-60『FIGHT OR FLIGHT/THE MODS』
2007年7月31日 00:49:44
脚本を書き終えた虚脱から抜けきれず、
しかし、驚くほど多くの事柄が目の前にあらわれ、
それを、自分がこなすしかないのか、と、
絶望に近い嘲りを自分に浴びせかけ、
物置の中から、一枚のLPレコードを出してきた。
25年も前に、アルバイトをして買った。
大切に大切に聴いたレコード。
カセットテープに録音して、
何度も何度も聴いた一枚。
エレキギターで練習し続けた一枚。
ライブハウスで歌い続けた一枚。
引っ張り出してきたレコードは、
25年の時間の古色を帯び、
そっと針を落とす。
ああ、この音だ。
『FIGHT OR FLIGHT/THE MODS』
名曲ぞろい。
エネルギーに溢れた一枚。
A面が終わり、
レコードをひっくり返し、B面。
そうだ、当時は、B面の一曲目という概念があったんだ。
どんなレコードでも、自分は、なぜか、
B面の一曲目が好きだった、気がする。
このアルバムのB面の一曲目は、
名曲中の名曲、『TWO PUNKS』
高校時代、仲間が集まれば歌った曲。
楽器が出来るものが集まれば、全員で演奏した曲。
森やんがうたう、
『いつまで続けるの』と。
そう、自分は、その世間のバスに乗り遅れたのかもしれない。
『俺たちは乗ることが出来なかった』
今でも活動を続ける彼ら。
そして、ここに25年前のレコード。
25年前に歌を歌っていた自分が、
そして、ここで何かを殴り続け、
当時の武器は、テレキャスターというエレキギター。
今の武器は、
と、
手を見てみると、
レコードは終わり、
手には、あれが。