『ある流刑地の話』著/フランツ・カフカ 訳/本野亨一

2006年3月21日 13:23:00

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春分の日の一冊に相応しいものを
ご紹介。
この本は、
「偉大なる不良たち」
というシリーズで復刊された文庫の一冊です。
どんな本が「偉大なる不良たち」なんでしょう。

『ある流刑地の話』
著/フランツ・カフカ 訳/本野亨一

みなさーん、カフカですよ、カフカ。
ザムザ君のカフカですよ。
変身しちゃうカフカですよ。
この主人公は変身は具体的に変身はしちゃいませんが、
抽象的には変身しちゃってるかもしれません。
その辺は、読み手次第かな。

帯には、
島田雅彦さんが一言書いています。

「永遠にまわり道する
胡散臭い人物たちに学べ。
死なないための知恵を。」

学べ。って、命令してます。
死なないための・・・って・・・
胡散臭い?
突込みどころ満載(笑)
これじゃ、何がなんだかわからないので、

ちゃんと紹介。

「荒涼たる砂漠に組み立てられた奇怪な死刑執行台。
無数の歯車と針のついたこの装置で
まもなく一人の男が処刑される。
旅人はこの完璧な機械の説明をうけるのだが・・・・」

と意味ありげに終っておきましょう。

短編集なんですが、
ん〜、ちょっと不気味な感じがするかもしれませんが、
傑作ぞろい!

そうそう、この「偉大なる不良たち」シリーズ
(このシリーズ名はどうかと・・・・角川さん・・・・)
で、他には、

「怖るべき子供たち」「人工楽園」「マダム・エドワルダ」・・・

なんて、名作が並んでいます。
このあたりも、気になったら、即買いをおすすめ。
手にいれておく方が後々良いかと。
だんだん、見かけなくなると思いますよ。
おまけに文庫でお安いし。