『戦後思想の出発』【戦後日本思想大系1】編集・解説_日高六郎

2007年9月17日 21:53:46

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今年から来年一年をかけて読もうと。

「日本思想体系シリーズ」

全部で100巻くらいだろうか。
古い本は古い本。
今手元にある本書は、
1968年7月の初版。

以前、鈴木邦男さんに本シリーズについて、
丁寧にご教授いただき、挑戦。
さあ、15ヶ月で読了できるか、どうか。

まずは、一冊。

『戦後思想の出発』
【戦後日本思想大系1】
編集・解説_日高六郎

うん、面白い!
それに、読みやすい。
昔の本だし、思想書だし、
読みづらいかな、と思ってたのだけれども、

読みやすい!

非常に分かりやすく、
当時の生の言葉に力がある。
左右どちらかに偏ることなく、
中立以上の全体を描ききっている。
小説ではないので、「描く」という表現は
ちと違う気もするけど、

まさに、そんな感じ。

45本くらいの論文、詔勅、対談、社説なんかが
収録されているのだけれども、

津田左右吉
「建国の事情と万世一系の思想」
丸山真男
「軍国支配者の精神形態」
小田切秀雄
「文学における戦争責任の追及」
山川均
「民主戦線のために」
恒藤恭
「改正憲法の革命的性格」

上記列記した数編は、
特に「ぐっ」ときたもの。
それ以外の論文もとても良し。

うん、来年1年は、このシリーズだけで満足できそう。
一気に全巻買ってしまおうか・・・


解説 戦後思想の出発 日高六郎

八・一五前後
「雄勁沈着なれ」 「朝日新聞」社説
「平常心を豊かに」 高村光太郎
「三筒の問題」 正木ひろし
「日本帝国終末」 林尹夫
「原爆被災詩のノート」 原民喜
「詔書」
「日本再建の指針」 東久邇首相記者会見
「慙愧の念で胸裂く」吉川英治
「新しき試練へ踏み出せ」高坂正顕
「草奔の文」親泊朝省
「新日本建設の道」鮎川義介
「病魔日録」河上肇
「配給された「自由」」河上徹太郎
「冬に入る」中野重治
「返事ー貴司山治宛」太宰治

天皇制を巡って
「朝日新聞「声」欄から」
ー各党政策討論会ー「憲法問題と天皇制」安藤正純、黒澤西蔵、小山倉之介、志賀義雄、水谷長三郎
「詔書」
「天皇と天皇制」岡野進
「建国の事情と万世一系の思想」津田左右吉
「日本歴史の特殊性」羽仁五郎
「なつかしい日本」三好達治
「不合理主義の源泉」荒井作之助

未決の問題としての戦争責任
「戦争犯罪と国際法の革命」横田喜三郎
「「極東国際軍事裁判供述書」から」木戸幸一
「軍国支配者の精神形態」 丸山真男
「文学における戦争責任の追及」小田切秀雄
「文学と戦争責任」福田恆存
「まず主として私自身について」岩崎昶

新しい日本の出発
「人民に訴う」徳田球一ほか (日本共産党出獄同志 徳田球一 志賀義雄 外一同)
「民主戦線によって祖国の危機を救え」野坂参三
「民主戦線のために」山川均
「新憲法に関する演説草稿」幣原喜重郎
「改正憲法の革命的性格」垣藤恭
「日本社会党と農地改革」大内兵衛
「原子力の管理」仁科芳雄

主体の回復
「戦の跡」矢内原忠雄
「近代的思惟」丸山真男
「自然科学者の反省」小倉金之助
「第二の青春」荒正人
「現代の主眼」宮本百合子
「地方文化運動報告」中井正一
「岩で出来た列島」山代巴
「共産党に入るの弁」森田草平
「一つの告白」中野好夫