『肌絵師』島村 匠

2006年4月5日 20:02:00

写真

『肌絵師』

本気で雨が降りました。
今は、もう上がりました。
久しぶりにいい雨でした。
音も満足できるレベルの雨の音でした。
そんな、気持ちよい雨に似合う一冊です。

『肌絵師』
島村 匠

毎日まいにち、本を読んでいます。
洋の東西、時代、ジャンル関係なく読みます。
読まず嫌いのないように、
いろいろ読みます。
手当たり次第に!という表現がぴったりなくらい。
・・・で、
この島村匠(しまむらしょう)という作家ですが、
知らなかったんですよね。
偶然本屋さんで手にして、読んでみました。
タイトルに惹かれたんですね。

帯には、

「刺青の妖しい輝きに
憑かれた男のたどる運命は・・・」

とあります。
これでは、形容不足で主客がよく分かりませんね。
まあ、それを狙っているのでしょうが。
そこで、
裏に行きます。

「大正12年、夏。
横浜の野毛で彫師稼業を営む朝太郎は、
刺青の中で最も困難とされる
『女の総身彫り』
を成し遂げられず焦燥していた。
その折、目の前に一人の女が現れる。
『あの女になら彫りたい』
心のざわめきを覚え、後をつけ、
辿り着いたのは、
小港にある
『カリホニヤ・ホテル』
そこは、ちゃぶ屋と呼ばれる
娼館であった。
松本清張賞受賞後、
著者初の伝奇浪漫小説!」

まさにそのとおりのストーリです。

数行!
自分の琴線にふれまくる言葉がありました。
その数行を読めただけで、
この本に出会えた意味がありました。
雨の音も、美。