コトバが寝ている、その前で漫画を読んだ、たくさんの本を読んだ、一本の映画を観た、一枚のレコードを聴いた
2008年5月12日 00:15:34
稽古の次の日だったから、今日は、日曜日なんだ。
と、朝、目覚める。
ケージを開けて、コトバにおはよう。
数時間おきに、小さく刻んだ餌を与え、
たくさんの話をする。
午前中に一本の打ち合わせ。
雨。
歩くのが楽しくて、のこのこと駅まで歩く。
駅まで歩き、とことこと電車に乗る。
予定通り、考えていた通りの打ち合わせを、
予定通りの時間に終える。
雨。
いくつかの書店を覗く。
いくつかの楽しいことを思い浮かべる。
平和台という街。偽善的な名前の街。
けれども、ここに住んで20年。
コトバと暮らして2年。
スキップができるか、ちょっと試してみた。
スキップができた。平和台で、少しスキップ。
コトバは、目の前のいつもの止まり木で目を閉じて、
漫画を読んだ。
朝から、夜中までに3冊の本を読んだ。
そのうちの一冊は、とても珍しい講演録。一般には手に入らないだろう。
ツタヤで借りてきた、一枚のレコードを聴いた。
レコードじゃありません。CDです。
と、劇団員のみきは、よく、言う。
でも、やっぱり、レコードなんだ。
リサの声のなか、コトバは眠り、自分は本を読む。
劇団員のあゆが入力を進めてくれている、次回公演の脚本。
何度も読み直し、手を入れる。
恐ろしく密度の濃い時間を知る。
そして、自分の激しさを知る。
一本の映画は、統一された色を全編に配し、
あからさまとも言えるテーマを突っ走る。
ヴァイオレットと呼ばれる、ミラ。
美しい肉体。
走り抜けるミラの激しさを尻目に、コトバは、眠る。
眠りなさい。
眠りなさい。
銃声は気にしないで。
休みなさい。
休みなさい。
外部からの情報を完全に遮断していた一週間を取り戻すように、
全身の細胞から、それを取り込む。
本を読め、漫画を読め、音を聴け、画を観ろ、そして、書け。
全身が全身に向かって命令している。