次の公演が頭いっぱい、すでにオーバーイマジネーション
2008年8月17日 23:43:21
8月16日
公演を終えて中5日。稽古。
次の公演『スーザンナ・マルガレータ・ブラント』
イメージばかりが肥大し、言葉にならない。
そのイメージを具現するために、俳優ができなければならない表現に手をかける。
頭の中にある音とか、画とか。
それを俳優にきちんと説明したいのだけれども、どうも言葉にならない。
うまく言えない。うまく言えていない事は自分が一番良く分かっている。
この頭の中をぴたり説明できれば、俳優もやりやすいはずなのに、うまく言えない。
ありきたりの言葉を重ね、かといって、自分がそれをやって見せることもできない。
頭をポカッ。どんなに本を読んでもこの一言を言い得ないようじゃどうしようもない。
頭の中に完璧な画がある。
頭の中に完全な音がある。
8月17日
ヘア&メイクの木下恭子さんと打ち合わせ。
新宿椿屋珈琲、シフォンケーキ。
劇団員の市川未来とあべあゆみが同席。
四人掛けの喫煙席。
パソコンを開いて、写真を見ていく。
恭子ちゃんの作品の数々を見ていく。
そして、次の作品の話。
渦巻くイメージのキーワードを、伝えた。
作品の概要を説明する。配役を説明する。美術・衣装を説明する。音を説明する。
劇団再生の理念や観客が観る演劇ということの何たるかを知る恭子ちゃん。
市川未来は不敵に笑み、
あべあゆみは繊細に笑む。
『Synphony#09・罪と罰、マジで大迷惑!』のダイジェスト映像が出来上がってきた。
吉野邦彦氏の顔が見える編集。演劇が好きでないと撮れないカメラ。
早く12月が来ないかな。本番が観たいな。脚本を書き始めてもいないけれども、もう完全にできている。
8月15日
やっぱりいい天気なんだ。
ここに来る日は。雨に降られたことは一度もない。見沢さんのお墓参り。
「見沢さんのお墓参りに来るときは、いつもいい天気なんですよ」
「あの子は太陽が嫌いだったのに」
地下から汲み上げられたぴかぴかの水に濡れたそのお墓と、話す。
全部、本当のことを話す。
「見沢さん、お墓の前で語り続けたことは、全部本当です」
木陰で煙草に火をつける。
煙草の煙に、蝉が鳴きやむ。
地下鉄のエアコンは強烈で、降りた「九段下」は熱に浮かれ、
靖国神社。
様々な問題が外部に渦巻いているのだろう。
しかし、それはそれだ。セミの声。
246万を超える御柱。自分が何をしなければならないのかを、
毎年、突きつけられる。
突きつけられているのは、「喪失」
同時に、「演劇」の何たるかを考える。やはり毎年、ここで考える。