高倉健という夜【DVD】『冬の華』
2008年10月2日 23:03:23
今日の、夜。
高倉健を観ている。
ぼんやりと座って。左手にあごをのっけて観ている。
モニタの上の止まり木でコトバが寝ている。
なんだか最近よく寝ている。
自分がいない時に活動しているのか、いつみても寝ている。
もうテレビの上の置物。
高倉健がいる。
映画『冬の華』。脚本は倉本聰氏。
ヤクザ映画といえばそうなのだろう。
けれども、
そうは見えない。文学だ。ヤクザ文学。
静かに静かに物語がすすむ。ドンパチはない。
ゆるやかに静かにすすむ。
目が離せない。
作品中に繰り返し流れるクラッシックギターの一曲。
みごとな一曲。長調でも単調でもないメロディ。
緊張感も情緒も回想も時間の経過も、この一曲だ。
思い切った使い方。
その一曲と健さんの静寂。
夜だ。時計を止めるか。