2009年1月19日 00:00:38

電信柱保険に加入する夢を、今日は見た。
そもそもの発端は、ぼくが高い建物の上から、長い電信柱を投げ落としたこと。
街中が大騒ぎになった。
そして、今後そんなことがあった場合に街の被害に対する保険に
(半ば強制的に)加入することになったんだ。
「年間掛け金は、100万くらいちゃう?」と関西弁の声があったり、
保険屋さんが一昔前のサラ金の取立屋みたいだったり、
街中の人びとが集まっていたり。

掛け金は、36万円だった。
今、冷静に思うと、意外に安いのか、とも思うけれども、夢の中。
36万!

友人に4円を借りた。
そんな夢を見て目を醒まし、脚本が間に合わない夢を見て汗をかき。

毎日、夢を見る。そのほとんどを覚えている。
案外詳細に覚えていたりする。
こないだは、テレビ画面のチャンネル表示になっている夢を見た。
リモコンでチャンネルを換えると、
テレビ画面に、4とか10とか出てくる、あの4とか、10。

劇団員の家のテレビの中だ。
ぼくは、チャンネル表示になって、その劇団員を見ている。
最初は楽しい。その劇団員の私生活を覗き見しているのだ。
ほうほう、そんなパジャマを着てるのか。
なるほど、一人になるとそんな顔をしてるのか、と。

だが、

その劇団員は、チャンネルを換えること甚だしい。数秒で換えていく。
長くても数分だ。
「番組が面白くなければテレビを消しなさい!」と叫ぶも、こちらはチャンネル表示。
忙しいことこの上ない。
それに、このテレビのチャンネル表示は、緑色だ。
緑色は嫌だ!表示にも自尊心と言うものがある。せめて青か黄色に!
と、自己主張も無視されるまま、
4をやったかと思うと、6だ。次はすぐ8だ。
忙しくリモコンに合わせて、チャンネル表示を頑張ってみる。
そうすると、その劇団員がチャンネルを換えるある一つの法則を発見する。
順番だ!1から順に換えていっているようだ。

そうと分かれば話は早い。
リモコンに合わせて予測したチャンネルになる。
勢いあまって、ちょっと早く次のチャンネルになったりしたけれども、
その劇団員は気付かなかったようだ。

そして、真夜中、テレビを消して、劇団員は、寝た。
チャンネル表示のぼくは、真っ暗のテレビの中でなすすべない。
寂しい。なんというさみしさ。

夢の中でチャンネル表示の寂しさを知った。
そして、脚本が間に合わない夢を見て、汗をかき、飛び起きる。

祈るように、ペン先を見つめる。

暗い部屋の中で真夜中や、明け方に目を醒ますと、そこには夢の破片があったりするものだ。
どんな夢もつい先ほどまでこの室内で繰り広げられたんだ、とその名残が。
破廉恥極まりない妄想の濃密な空気が澱んでいたり。
果てしない言語道断原罪原風景の逃げ遅れた闇の後姿。
そんな微かな名残が、小さなナイトライトに照らされていたりするのを、見る。

何か水分を、と立ち上がると決まって積み上げられている本に躓く。
足の小指を辞書にぶつける。
机の上に置ききれない資料を足元に積み上げてある。それに躓くのだ。
片付ければいいのに、その場所にないと必要なときに手が無駄な動きをする。
だから、躓くけれどもその場所なんだ。

躓くと、机の上の万年筆を持ってみる。
何か水分を、と立ち上がったのに万年筆のキャップをくるくると外してみる。

(今なら書けるかな)と、思ってみたりする。

ナイトライトだけの薄暗がり。
夢の破片と本が散らばるここで、あと10日。どこまで書けるか。
今日もまた夢を見るだろう。