鈴木邦男という質量・・・『「月刊TIMES」が届き、言葉という言葉が居ることを知る』

2009年10月30日 01:05:49

秋が深まり、冬が近付くと、劇団再生を、思う。

劇団再生がその歩みを始めて、2年。
その2年が、短いか長いか、それは知らない。判断のしようがない。
ただ、劇団再生は、より多くを、した、とはっきりと言える。
たった2年なのか、2年も、なのか、それはわからない。ただ、多くを生きた。

ころすけ君(市川未来)が号令し、劇団再生の命が始まった。
ぼくが、その命に触れ、ゆーこちゃんがその命に触れ。

当時、ころすけ君が理想とした劇団は、どんな劇団だったのだろう。
当時、ゆーこちゃんが思い描いた劇団は、どんな劇団だったのだろう。

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劇団再生が居る。
いろんな人と、居る。

二年前から変わらず、応援いただき、ご指導いただき、そんなたくさんの方々。
鈴木邦男さんもその一人だ。
何も変わらずに飄々と、「鈴木邦男」をされ、
劇団再生に暖かく厳しいご指導を頂き、毎回の公演に足を運んでいただき、

鈴木さんのいろんな言葉が、ぼくの脚本に反映され、ぼくの生活に反映し、
劇団再生の飢えた口に喰われていく。

2年前、劇団再生がその歩みを始めた一歩『天皇ごっこ〜母と息子の囚人狂時代〜』

あの公演を終えて、ぼくは、全集読みの一歩を始めた。
鈴木邦男さんにご教授いただき、全集と言う巨大な山脈登攀を始めた。
その一歩を踏み出しあまりの巨大さに目が眩み、
とてつもない巨大さの中にいるだけで、山の高さを知ることができず今も、
そこに居る。

戦後日本思想大系を読了し、現代日本思想大系を読了し、世界教養全集を読了し、
近代日本思想大系という険しさに、世界の名著という巨大さに、うろうろうろうろ。

終わりのない労役だ、と感じることもある。
シジフォス、と呟く夜もある。けれども、一字を読み、一行を読み、一ページを読み、
一冊を読み終え、一大系を読み終え、疲労と、何か少しの何かを感じ、また、一字を読み。

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今、劇団再生自身が思い描いている劇団再生は、どんな劇団だろうか。
それは多分、ころすけ君も、ぼくも、ゆーこちゃんも、知らない気がする。
「人間」には窺い知ることのできないとてつもないことを劇団再生自身が思い描いている気がする。

劇団自身が理想とする劇団自身の姿。
それを、不意に感じることもある。感じることがあるけれども、言葉になるような、画ではない。
ただ、

劇団再生が、もっと多くを生きようとしている。それは、わかる。
秋が深まり、冬が近付くと、こうして劇団再生を思うことがある。
たくさんの方々と共に歩んできた劇団再生。
たくさんの方々と共に多くを生きてきた劇団再生。

全集読みは、変わらずに一歩ずつ進み、一字ずつ読破し、鈴木さんにメールする。
「鈴木さん、今は『コーラン』を読んでいます」
「鈴木さん、今は『大正思想集』を読んでいます」

鈴木さんからは、「ふくろうしか友達がいない」と言われる。褒め言葉だ。
友達なんか要らない。本があればいい。人間は本で出来ている。
読書をしていれば、寝なくてもいい。食べなくてもいい。仕事なんかしなくてもいい。

今月も「月刊TIMES」が届いた。


『月刊TIMES』

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