ただ5首

2009年11月27日 23:27:53

一冊の本読むことと一日の 空を読むこと秤にかける

読みさしの本を閉じ窓の向こう ずっと向こうのぼくだけの言葉

香の記憶夢のさめぎわ明日を見ず 右手を見つめ過ぎし日をかぐ

夢にまで鮮やかに在りぼくの言葉 めくらの荒野を訪ねる術なし

背に立つ達磨法師の見詰む先 ぼくも四肢を切り落とすべきか