一冊の、読み終わらない本をもったまま
2010年4月8日 22:00:21
ベッドにひっくり返り、なんだかおかしな体の調子に舌打ちしながら、
読み終わらない本を左手に持って、その本の手触りを味わう。
パソコンから、「飢餓海峡」が流れてきた。
言ったじゃないか、何度も、何度も、わかってる、
読み終わらない本を持つ手に力を込めて、「飢餓海峡」を口ずさむ。
言ったじゃないか、連れてってやる、地獄の果てだろうが、形而上だろうが、どこだろうが、
言ったじゃないか、言葉心中、俺だけの言葉と、どこだろうが、
読み終わらない本を胸に抱き、連れてってやる、と口にしてみる。
俺は、極上の破壊者だ、知ってるだろ。
読み終わらない本、いつまでも読み終わらないならば、
ならば、徹底的に破壊してやる、ありったけの力を込めて破壊に向かおう。
めちゃくちゃに破壊しつくす。けれど、覚えておけ、忘れるな、本、
俺は、極上の破壊を知るものだ。
覚えておけ、忘れるな、本。
そこに、必ず、俺がいる。