夜を疾走したいと思った
2010年5月5日 20:44:24
見えた、というのとは、ちょっと違う。
驚くほど論理的に着想した、という感じか。
ばらばらに配置されていた画や感情や音や物語が、
一瞬にリンクを形成する、という感動は何度も経験してきた。
脚本を書いたり、一本の舞台を創っていたりしているときに、
そのリンクの瞬間を待ち続けることもある。
脳の中の何もかもが驚くほどの速さで組み上がる。
そんな瞬間を待ち続けている。
それがいつ起こるのか、それはわからない。
わからないけれども、必ずやってくる。
それは必ずやってくる。
着想が、あった。
それは、上述した奇跡のリンクという時間ではなく、
ゆるやかで、大きな着想だった。
経験したことのない大きな感動だった。
その大きさの中で、一冊の漫画を思い出した。
そして、夜を走りたいと思った。
ハンドルを握りしめ、アクセルを踏み込みたいと思った。
真夜中の高速道路を疾走したい。
大好きなあの曲をかけながら、か、或いは、
エンジンとタイヤの音を歌いながら、か。
真夜中を疾走したい。
目的地は、あそこだ。何度も行った、あそこだ。
ハンドルを握りしめ、
アクセルを踏む。
ハンドルを握りしめ、
アクセルを踏む。