見沢さんの遺した本を前に時代という矮小と無防備な死を考えていた
2010年5月9日 23:02:37
見沢さんの遺したたくさんの本や資料を整理している。
たくさんの本を一冊ずつ開き、確認していく。
時代の小ささと未来という概念を考えていた。
目に見えぬ埃を吸い込みながら、くしゃみと鼻水。
窓を開け、換気をしながらでも間に合わない。
鼻水が垂れてきて、くしゃみが続く。
見沢さんの声が聞こえていた。
見沢さんの言葉が聞こえていた。
ええ、また、書きますよ。
次は、あの真っ赤なやつだ。
あれをやりましょう。
任せてください。
また、きっちりと書きますから。
一冊ずつ主に遺された本を開きながら、あまりに無防備な未来を考えていた。
なんという矮小。
笑うしかない。
鼻水を垂らしながら、ぼくは、時代を笑った。