8月23日故見沢知廉誕生日生きていれば51歳

2010年7月11日 22:58:08

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見沢さんの誕生日に見沢知廉顕彰。
何年も前から決めていた企画だ。
劇団再生が行う毎年の企画だ。
昨年は、生誕50年。三日間の公演と展示、トークを企画した。

今年は、一日。
たった、一日だけど、この日しかない、一日。

条件に合ういい会場が見つかった。
その会場との契約も済んだ。
見沢さんが8階のベランダから飛んで、数年。
ずっと、見沢さんを追いかけてきた。

毎月見沢さんと墓前で語り合い、
遺した書籍を読み漁り、膨大な写真を一枚一枚眺め、

あれから5年。

今年も見沢知廉を顕彰する。
『見沢知廉・男・46歳・小説家』

鈴木邦男さん、大浦信行監督、あべあゆみ、とのトークがある。

大浦監督が撮った映画『たった一人の革命』も予告編が上映される。

演劇『空の起源』を上演する。

多くの見沢知廉資料を展示する。

その全てをたった一日に集約する。

そのために、今から準備に取り掛かっている。
今日は、展示の準備。
一日稽古場を借り切って、展示するものを持ち込み、
会場と同じようにセッティングをしていく。

朝から、見沢さんの資料と向き合い続けた。
疲れるだろうな、と思っていた。
体力的にも精神的にも夕方までが限度だと、踏んでいた。

午前中、資料を見続ける。
午後からもそうだ。資料を並べていく。
一つ一つの資料に対して、細かい指示をつけていく。

夕方までどころか、午後3時には、疲れがピークに。
こんなに体力がないのか、このくらいでキレるのか、と情けなく思った。

朝一からは、ゆこちゃんが乗り込み、相談しながら進めていく。
午後、宮永歩実が到着し、仕事をふる。
田中惠子が到着、予定にあった仕事をふる。
磯崎いなほが到着、全体像をつくりあげていく。

暑いのか寒いのかわからない。
どうにも体温調整がうまくいかない。

疲れたのか疲れていないのかも分からない感じの疲れだ。
見沢さんに触れ続ける。
見沢さんの言葉に触れ続ける。

予定通りの内容を終え、全員で片付け退出。
来週もまた、ここでリハーサルを行う。
見沢さんに触れ続ける。見沢さんの言葉に触れ続ける。
八階から飛んだ見沢さんをふと、

羨ましく思いながら、なんだ、うちも八階じゃないか。
車を戻し、雨、バイクに乗った。
目の奥の痛みと小さな寂しさ。

小さな寂しさは、時に豊かな官能に変わる。
そんな真夜中にならないかな、と八階の自宅までエレベータに乗った。

少し疲れたな、と鍵を差し込んだ。
鍵を回すと、暗闇から、コトバが「ほー」と鳴いた。