劇団再生の稽古場、演出卓に並ぶお菓子、明日は見沢さんの命日
2010年9月6日 23:25:51
故見沢知廉氏のご母堂、見沢ママからチョコレートが送られてきた。
劇団の女性の方々に、と電話を頂いた。
「かあちゃん、俺には?」と聞くと、
「高木さんには、またいいものを差し上げますから」と笑われた。
上下二段に並ぶチョコレート。誰よりも先にぱくぱく食べた。
明日は、見沢さんの命日。5回目の命日。
あれから5年が経ったのか。
いろんなことがあった。いいこともろくでもないことも。
追悼公演をやるんだと突っ張って三回忌。
全作品舞台化するんだと一作一作。
見沢さん、来年はもう七回忌。作品は決定しました。
「蒼白の馬上」
どうですか。どうなると思いますか。
「天皇ごっこ」も「母と息子の囚人狂時代」も「調律の帝国」もちゃんと舞台になったでしょ。
次は、問題作「蒼白の馬上」です。
キャッチは、
「あなたに殺人の方法を教えます」
とは言っても創るのは劇団再生。書くのは、このぼくです。
あの真っ赤な表紙の小説がそのまま舞台には上がらないでしょう。
大丈夫。勝算は、あり。見沢さん、見ててください。
形而下と形而上の秘密の抜け穴を知ってるんですよ。
それは、演劇でしか出来ないことなんです。舞台の上でしか真実をあらわさない抜け穴なんです。
まあ、見ててください。
明日は見沢さんの5回目の命日。墓参。
きっといい天気だろう。困ったもんだ。
雨が降ったら伝えようと思っているこの決意のほどもぼくの中でくるくる回る。
いい加減、降らせたらどうだ、見沢さん。
まだ、だめかい。
稽古場には、見沢ママが差し入れてくれたチョコレート。
小さないろんな味の詰まったチョコレート。
見沢さんが死んで、5年か。
相変わらず肩こりは肩こりで、相変わらず首のこりはこり続け、
周りからやいのやいのと言われながらものらりくらりと我を張り続け、
それでもぎゃーぎゃー世間は騒ぎこっちも逆ギレ、
うるせぇ! 素人がぐだぐだ抜かすな! すっこんでろ! と夜中にペンを突き立てて、
たった一つの寄りどころ
両手でしっかとしがみつき、
人肌恋し唄恋しと
なにがなにやら夜中にくるくる。
なんだなんだ見沢さん、五年前とちっとも変わっちゃいない。
明日、
会いに行きますよ、見沢さん。
劇団再生の稽古場にはいつもお菓子がある。
この日の演出卓には、見沢ママからのチョコレートと
ころすけ君が持ってきたチェブラーシカのお菓子。
デザインを見ているだけで気が抜けてくる。
リンゴが嫌いなのか、ちょっとしょんぼりしているチェブ。
トラウマでもあるのか、オレンジを抱え込み意気消沈チェヴ。
劇団再生の稽古場、お菓子が並ぶ稽古場。