真夜中に『蛍』を歌いながら街を歩く。真夜中に『machiko』を歌いながら街を歩く。

2011年9月3日 00:30:41

稽古場から帰宅する。

あれっ、と思う間もなくベッドで寝ていた。

17分、寝た。

帰宅した時間は正確に時計を見たし、

起きた瞬間も時計を見た。

一体何時なのか、朝なのか夜なのか、何日なのかわからない目覚め。

目をこすると一日のべたついた油が手についた。

風の音がする。台風がそこいらでうろうろしている。

9月4日か、或いは、9月9日に、東京を台風が直撃すると予言したが、

この予言は外れるようだ。

外れるならそれに越したことはない。

そのほかの予言は大体あたってるんだから、

このくらいの不発は許されるだろう。

まだ降ってないな。目覚ましに散歩でもするか。用事を作った。

『コンビニに炭酸飲料を3本買いに行く!』

半ズボンに履き替え、靴下を脱ぎ捨て、Tシャツを替え、下駄をひっかけた。

台風がうろうろしているからだろう。

台風みたいな風だ。

元気を出して、歌った。歌いながら歩いた。コンビニまでに10分。

3曲歌った。

手を握ったり開いたりしながら、歌った。

コーラとサイダーとジンジャーエールを買って、

歌いながら、家に帰った。

夜と話した。真夜中と話した。ぼくの話し相手の真夜中。

真夜中は煙草をあたたかく包み込んだ。

ぼくの吸う煙草のために真夜中は静かに時間をくれた。

ぼくの話し相手、真夜中。

煙草の時間を静かに待ってくれる真夜中。