舞台装置が組みあがり、照明が吊られ、音楽が流れ、俳優がそこにいる。

2011年9月9日 00:59:07

これまで何百回もの舞台を過ごしてきたけれども、

これまで何百本もの舞台を知ってきたけれども、

だからそれがなんだというんだ。

何のサンプルにもならない。

毎回毎回毎度毎度の初体験。

劇場入りする日がやってきて、

資材の搬入をし、舞台を作り、照明だの音響だのがセットされ、

俳優がそこにあり、そして、お客様を迎える。

幕が、開く。

明日、初日の幕が開く。

だからそれがなんだというんだ。

今日の出来事も、明日の出来事も、いずれその日だけの出来事でしかない。

それが、明日のサンプルにもならず、明後日のサンプルにもならず、

いつだってそうだけれども、

明日、幕が、開く。

眠った方がいい。

少しでも眠った方がいい。

その前に何か食べた方がいいに決まってる。

何か食べて、何か飲んで、

ビタミンだのカルシウムだのなんだのかんだのを噛み下し、

そして、少しでも眠った方がいい。

絶対にそうだ。

と、体が叫んでいる。

食べることはさておき、一秒でも寝ようとしてみるか。

雨の音を聞いた。

きっと空耳だろう。

明日、幕が、開く。

幕が、開く。