コトバはのんきくん
2012年1月5日 00:01:12
朝から一日、舞台美術の製作。
稽古場を借り切り、一人、美術に取り組む。
広い稽古場でもくもくと作業。
ただ、ひたすらに一人、描き続ける。
大好きな時間だ。
一人で書き続ける。何も考えずにただ、描き続ける。
巨大な舞台美術だ。その中にいると、自分の手の小ささを痛感させられる。
12時間以上の時間を借りての作業だが、
実際の作業は、たかだか5時間くらいのものだろう。
あとの7時間は、休憩だの、リラックスだの、食事だの。
実際、美術の中に身を置き、集中して書けるのはせいぜい50分。
集中が切れると、
腕のわずかな、数ミリというコントロールが効かなくなる。
感じ思った線が書けなくなる。描けなくなる。
50分書いて、1時間休憩。休憩が長すぎる感じもするが、
「さあ、やるか」という高まりを待つとそのくらいの時間がかかる。
稽古場にパソコンを持ち込み、音楽を流したり、DVDをかけたりしている。
なるべくいい環境で作業をしたいと思う。
明日も丸一日、舞台美術の制作。ひたすら一人。ただ書き続ける。
腰だの背中だのが、ばきばきと音をたてて反抗する。
首をはしる痛みは、電気のように全身を巡り、背中と肩はがっちりと固まり、
腰に至っては、しびれてなんだかわからんくらい。
それでも、舞台美術を描くことは楽しい。楽しくて仕方ない。
明日も一人で書けるのか。
嬉しくて眠れそうにない。
帰宅すると、コトバが待っていた。
ガスファンヒーターを点けると、とことこ。
ファンヒーターの吹き出し口にとことこと歩いて行った。
あったかい風に羽を膨らませている。
そこが気持ちいいのか。コトバ。
声をかけると、ぼくを見上げた。なんだなんだ。気持ちよさそうな顔だな。
好きなだけそこにいたらいい。