25年ぶりに友人と会う
2013年2月3日 02:26:58
共に音楽を志した友人。
一人は実家広島に戻り、結婚し子供を得、バイクを乗り回す。
一人は今も音楽業界に身を置きながら、自身も歌う。
新宿で待ち合わせ、三人、母校に向かう。
立派になった校舎を見学させてもらい、当時ぼくたちが暮らした街、高田馬場へ。
「全然変わってないね」
みんな40も半ばから後半へと差しかかり、会わなかった25年を語る。
いろいろな経験、いろいろな考え、いろいろな思い。
25年の空白を語り尽くせるものではない。
みんな髪の毛もふさふさとし、腹が出ることもなく、変わらず表情豊かで、嬉しくなる。
ひとしきり昔話に笑い、別れがたく5時間。
18歳のぼくは、彼らから見たらどんな少年だったのか。
20歳のぼくは、彼らからどう見られていたのか。
右も左もわからない憧れの東京で徒手空拳。
どう見られていたかどうかしったこっちゃない。ただ、がむしゃらだったな、毎日。
そんな日々を思い出した。
ぼろぼろの木造アパート。風呂もなく、隙間風にいくつの冬を越したか。
ぼくが同時すんでいたアパートも、
広島から上京した彼のアパートもすでになくなっている。
それにしてもあの頃は金がなかったな、
貧乏話は楽しいものだ。昔話は楽しいもんだ。ただそれだけなんだが。
音楽の話、ギターの話、時事問題、政治の話に女の話。
尽きることはない。またバンドでもやろうか、と盛り上がるが、
果たしてギターが弾けるだろうか。人前で歌える喉は戻るだろうか。
ライブをやっていた日々、レコーディングの日々、話すうちに思い出してくる。
25年の空白。
決して空白ではないのだ。その付き合いのなかった日々にこそ、ぼくたちがいる。