言われた
2014年1月19日 01:26:00
「高木さんは、誠実だし、真面目だし、優しくてほんとにいい人だけど、
何かあって高木さんを敵に回したりしたら怖いなって思うよ」
「あら、そうですか」
「誠実に相手を責めて、真面目に陰険なことをして、
高木さんの優しさは徹底的に相手を破滅させるまで実行されそうで」
「いやいや、そんなことはないですよ」
「いやいや、そんなことありますって」
「敵というのが、人間なら、そこまでエネルギーを使いたくはないですよ」
「それはそうかもしれないけど、例えば我慢できないことがあって、
その相手が人間なら、ちょっとは何かするでしょ」
「そりゃ、ちょっとはするでしょ」
「そのちょっとが、さっき言った恐怖のプロセスを想像させるんですよ」
「なんすか、恐怖のプロセスってのは」
「高木さんのことは信用するけどしない!」
「んー、そりゃしないけどするってことだね」
「じゃあ、敵というのが人間じゃなかったら?」
「概念とか、構造とか、システムとかってことなら
それこそ、全勢力、全精力、を使って戦うでしょ」
「高木さんはね、陰険なんですよ」
「さっきから、その一言が心外」
「自分でわかってるくせに」
「んー」
「高木さんが正義を手に入れたら近づきたくないなー」