待っている
2015年11月22日 01:22:34
何かがささやきかけるのを
何かがフラッシュするのを
このまま何も聞こえず何も見えず何も動かずに稽古の日がやってくる
ということを想像すると逃げ出したくもなるのだが
ベッドにひっくりかえり天井を眺めながら何時間も待っている
これまで創ることができたからこれからも創ることができるとはもちろん
思っていない
これまで見えたのだからこれまで聞こえたのだからこれからもとは
もちろん思っていない
いつかそんな日が来るんだろうなという諦念もある
そんな日が来たら
東京を捨て、関係を捨て、何もかも捨て、子猫一匹を連れて、どこかへ
赤いジーンズをはくこともなく
もじゃもじゃの頭もきっちりとし
髭をそり、色眼鏡もかけなくなるだろう
ということを思ってみたりもする
不安をまぎらわすために
選ばれしものの恍惚と不安二つ
待つことのなんという果てしなき時間か