言葉を交わすこと
2008年6月24日 00:11:44
日中、他者とほとんど言葉を交わすことなく、
パソコンに向かっていた。
普段使用しないマックを使い、作業ラッシュ。
大きなモニタの中の小さなフォントを見続けながら、
低性能のマウスに手こずりながら。
自分一人の作業環境ではないが、
作業を続ける数時間は、完璧なセッティングで作業をしたい。
席に着くと、まずモニタの角度を調節する。
キーボードの配置を決める。
もう一台のノートパソコンの位置を決める。
マウスの動作範囲を確認し、
コーヒーと灰皿を設置し、資料を集める。
数時間の作業を効率よく進めるために、お気に入りの環境を作る。
その環境設定に時間をかける。
言葉を交わすことなく。
お気に入りの場所を作ることは、贅沢で美しいことだ。
コトバにもお気に入りの場所があるみたい。
そして、自分にもこの部屋でお気に入りのポジションが、ある。
止まり木よりも高いところにある、小さな箱の上。
なぜか斜めになっている箱の上。
この部屋で一番高いところなのかもしれない。
「一番高いところはどこですか?」
という寺山さんの問いかけがよぎる。
一番高いところ。
そこは、理想と燃焼の果て。
イカロスは、その高さと熱に、飛んだ。
羽が焼け焦げて、ついには墜落することがわかっていても、
飛んだ。
その高さに飛ばずにいられなかった。
コトバのお気に入りの場所。
この部屋で一番高いところ。
コトバが見下ろしている。
「やあ」と声をかけて、対話が始まる。
たくさんの言葉をコトバと交わす。
コトバも自分もお気に入りの場所に陣取って。