2008年6月26日 23:53:17

数十回の稽古の後、本番を2回。
それは、決められた道。
いや、決めた道だ。
自分が決めた約束なんだ。

8月の約束の地へ。

稽古を終え、江古田に向かう。
書類を確認することが主眼の打ち合わせ。
メールでも、と、双方が思っていたが、
久しぶりにお茶でも、と。

コーヒー一杯の懐旧。

『最初の任務は、自分の愛を殺すこと』
それが、この映画の一つのモチーフなんだろう。
00(ダブルオー)昇格への、ジェームズ・ボンド。

人を殺すことが、こんなに簡単に描かれて、いいのだろうか。
と、不意に不快を感じる。
殺人が、何かの比喩になっているのか、と深読みしながら観るが、

そんなこともない。

人を簡単に殺している。
映画、表現、主張、様々なものを提示するために、
人を殺すことが必須なのかもしれない。
それにしても、

人を簡単に殺している。
簡単に、簡単に。

自分もこれまでの脚本で、たくさんの人を殺してきた。
本当にそれは、必要だったのか、と問いかけてみる。
登場人物の彼らが、生きていたら、
あれらの脚本は成立していなかったか。
登場人物が死ぬことでテーマに深みが増したか。
彼らが死ぬことでドラマチックな表現となったか。

江古田からの帰り道は、いつも通る道。
今日は、寒い。
オートバイのエンジンが軽く、皮のコートを通して、寒い。
途中、コンビニでチュッパチャプスを10本買い、

帰宅の真夜中。

DVDをプレイヤにセットする。
6代目ボンド、ダニエル・クレイグ。
007シリーズを観続けてきた目にも、なかなか好ましく映る彼。

いいねえ、いい景色だ、と思う。
けれども、

やっぱり、簡単に人を殺すという表現に、何故か不快を感じる。