劇団員が反乱を起こした。浴衣決起した。
2008年8月3日 23:28:03
8月3日、劇団員が浴衣で決起した。稽古が続き、夏祭りに行けない!と。
それもそうだ。夏祭りや花火大会に行く時間はない。
今日も稽古。限られた時間の中で細部を仕上げていく。
外では、花火の音が聞こえているかもしれない。
外では、賑やかな売り子の声が聞こえているかもしれない。
外では、色とりどりの夜がその屋台で売られているかもしれない。
そんな夜、稽古場に集まってくる劇団員。
花火大会も夏祭りも人間のものだ。
劇団再生の劇団員には、そこに行く理由が見当たらない。
見当たらないが故に、彼らは反乱を起こした。浴衣で決起だ。
稽古場に、一瞬、人間の風が吹く。
そんなところに行く必要はない。
君たちは、人間ではないのだから。
笑顔決起。浴衣闘争。夏祭り革命。花火大会の乱。真夏の8月。東京。
君たちは人間ではない。俳優だ。
と、楽しくなってカメラを向ける。
かわいいなあ、とカメラを向ける。
シャッタを切ったら、稽古場に吹いていた人間の風は恐れをなして、どこかに吹き逃げた。
風は、そこらの夏祭りにでも行ったのだろう。
風は、そこらの花火を吹いているのだろう。
稽古場に吹く風は、選ばれた者だけの、涼。選ばれた者だけの、熱。
浴衣決起を終えた俳優は、くるくると浴衣を脱ぐ。
脱いで、稽古着をきる。
劇団再生の夜が、決起した。
本番まで一週間。
先日は、ヘア&メイクの木下恭子さんがいらして、
長時間にわたり、全員の髪の毛と顔を作ってくれた。
恐るべし恭子ちゃんマジック。それを具現する指先。
みるみるうちに仕上がっていく全員のデザイン。
恭子ちゃんと、言葉が同じなんだ。
それは、衣装のクラモチユキコさんも照明の若林さんもだ。
同じ言葉を感覚している。
言葉を商売にしているにも関わらず、なにかのイメージを説明することが苦手だ。
これじゃいけないと、たくさんの形容語を勉強すればするほど、
言葉がでなくなる。ますますもどかしくなる。
自分の頭をポカリとしたくなる。ポンコツめ。
そんなうだうだの説明からも、イメージの真意を掴み取ってくれるスタッフ。
同じ言葉を感覚するスタッフ。
本番まで一週間。
チケットも残りわずか。あと一週間。
驚愕の稽古が続く。恐るべき劇団員が乱舞する。
真夏の8月。武装決起。