LEON

2008年8月26日 18:28:29

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稽古中、ほとんど毎日『LEON』を観ていた。
なんでだろう。稽古場から帰宅すると、なんでか観たくなる。
そういえば、舞台が終わった日も観たんだ。
阿佐ヶ谷ロフトでの日程を終えて、
舞台で使用した道具をあちこちに返して周り、真夜中。

煙草に火をつけて、『LEON』を観た。
一番好きな映画?と聞かれると、そうではない気がする。
もっと好きな映画がある。
もっと上出来の映画はたくさんある。
じゃあなんで『LEON』?

わからない。うまく言えない。ただ観たくなる。

劇場公開版とか、完全版とかあったりするけれども、
「劇場で公開された」ものが、作品だと思っている。
完全版とか、ディレクターズカットとかを後出しする意味が良く分からない。
商売としか思えない。
だから『LEON』も、公開されたバージョンばかりを観ている。

先日、稽古場に田中惠子がこんな本を持ってきた。
大判の一冊。図書館で借りてきたらしい。
たくさんの写真。そして挿話の数々。

最後に「第一稿」が掲載されていた。
大きな変更があったシーンのみだけど興味深く読んだ。

興味深いけれども、
やっぱりどうして掲載するのかな、という疑問は残る。
発表したものが、全てのはずじゃないかな。

一度公開したら、作品はそれ以上にもそれ以下にもならないはずなのに、

実は、こんな裏話があるんですよ。
撮影中、こんな楽しいことがあったのですよ。
最初の台本はこんなんだったんですよ。

と、後出しは、何を意味しているのだろう。
それを出したからと言って、発表した作品が良くなるわけでも悪くなるわけでもない。

ファンの興味のため、というのは良く分かってるけど。

演劇だっておんなじ。
発表したら、それで終わり。どんな評価を受けようがそれで終わり。
最初の脚本がどうであれ、発表したものが全て。

書く立場にたてば、最初に書いた原稿には、なんの興味も無い。
むしろ、恥ずかしい。

それはそうと、ここ10年位か。
作品公開後の、ディレクターズカットとか完全版とかが多くないか?
それがでるたびに、監督は真面目に仕事してるのか?と疑わざるを得ない。

これでよし、としたものが公開されているはずなのに、
「実は、監督の真意はこれだ」とかって、後だしされると苦笑する。

真面目に仕事をしなさい、監督。
潔くしなさい。

とはいえ、この一冊。買おうかな。いいなあ。欲しいなあ。
ゲイリーはかっこいいし、ナタリーはかわいいし。

かっこいいし、かわいいから、観てるのかなあ。