何がなんだか、混沌・矛盾・登場人物

2008年10月9日 00:01:10

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『二十歳の原点』(高野悦子著)を読んだ。
処理しようも無いほど動揺した。混乱した。死にたくなった。
逆かな。生きたくなった。いや、そうでもないか・・・
続けて、太宰を読んだ。何度も繰り返し読んできた太宰。
混乱した。動揺した。死にたくなった。違うなあ。生きたくなったのか。

『二十歳の原点』、劇団員に読んでほしいと思った。
両刃の剣。鋭利な剣。

合宿所で資料を広げ、脚本の続きに取り組んだ。
合宿での3日間、10枚くらいの続きを書いた。
戻ってきて、全て破り捨てた。

破り捨てて、新たに数枚を書いた。それも破り捨てた。
どう書いても違う。書いてはいけないのかもしれない。
あっさりと書いてしまえばいいのかもしれない。
「あっさりと」

そう。

無難に「あっさりと」書くことはできる。簡単だ。
これから数時間あれば、そう書くことはできる。
そんなのなら簡単だ。ほんとに簡単だ。
ここまで書いてきたその続きの「物語」だけを書くことならすぐにもできる。
物語自体は、すんなりと終わるだろう。あっさりと。

違う、違う、違う、違う、違う、違う

登場人物ってなんだろう。
登場人物の決定に脚本家が参加してもいいものだろうか。
物語ってなんだろう。
物語の自立性に脚本家が口を出していいのだろうか。
脚本家が物語を成立させ登場人物を描くということは、なんだろう。
そこにある命を弄んでいいのか。
もちろん弄んでいるわけではない。ただ、どこかで参加せざるを得ない。

許されない所業に手を染めようとしているのかもしれない。
自分を試すように本を読んだ。
手首にかみそりを当てて、心臓にナイフの切っ先を当て、
首にロープを巻いたまま、コーヒーの横に毒薬中の毒薬を置き、
そんな本を読んだ。顔をしかめて、読んだ。いやいやに読んだ。
そんな本をこの心持で読むという苦しさを味わいながら読んだ。
これじゃまったくのマゾだ。読書プレイだ。
苦しくて一言も半句も叫び得ない、そんな読書。

これもまた読書。

真夜中だ。原稿用紙を広げよう。どんな夜がやってくるか。
万年筆には「月夜」という名前のインクが充填され、ぎりぎりのそれを待っている。