脚本もあと少し。20枚くらいで完結するか。

2009年2月10日 22:52:12

写真

稽古が積み重なっていく。
稽古場で、俳優に正確に伝えなければと、と思う。
いつもそう思う。
言葉を選ぶ。
いろんな引き出しを開きながら、言葉を選ぶ。
しかし、

ぼくの正確と俳優の正確は、もちろん違う。
それは、当然そうだ。
その差異を埋めるべく、彼らを見続ける。
その誤差を修正すべく、彼らを見続ける。
かれらの生活をかれらの人生を、かれらの生き様を見よう。
そう思う。
稽古場で見るのは、それだ。
彼ら自身の人生だ。

愛する、という言葉は、稽古場でこそその真意を発揮するのではないか。
稽古場で彼らをぼくは愛する。
愛する、という言葉の用法で、もっとも相応しいのは、それだ。
ぼくは、稽古場で、彼らを愛する。
愛する、という感情を知ったのは、
劇団再生の稽古場でだった。

その稽古場で、稽古が重なる。
嘘偽りのない全裸の彼らを望みながら、数時間。
嘘偽りのないぼくの言葉を選択しながら数時間。

あと20枚も書けば、この脚本も完成するだろう。

その脚本が描く世界と俳優が描き出す舞台という世界。

ぼくは、残りの時間を数える。
発熱にイラつきながら、カウントダウンをする。
解熱剤をがりがりと齧る。齧ったほうが薬の吸収も早いだろう。

神様になりたい、と思った、稽古場からの帰り道、
暗闇に猫がバイクの前を横切った。