小さいゆーこちゃんにも誕生日がある

2009年2月23日 21:05:09

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そりゃあるだろ!
誕生日は、誰にだってあるんだ、と薄暗い部屋に蠢く奴らが言った。
形而上の住民の言葉とは思えない。
苦笑する。

誕生日があるのは選ばれた人だけなんだ。そう言い放つ。

苦笑したのは、今度は彼らのほうだった。

先日は、小さいゆーこちゃんの誕生日。
稽古場でそれを祝う。
いつものように歌い、ケーキの蝋燭は吹き消される。
小さいゆーこちゃんは、あの頃から全然変わらず小さいけれど、
こうして誕生日。

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いや、全然変わらないわけじゃないな。
劇団のいろんなことをしてくるゆーこちゃんは、実はいろいろ大きくなっている気もする。
高木のいろんなことをしてくれるゆーこちゃんは、この一年で彼女の版図を広げた。
一々あれこれを説明することもなくなった。
ぼくが気づく前にいろんなことが終わっていたりする。
ぼくの欲しいものが言う前に準備されていたりする。

それにしても、制作の仕事というのは大変だ。
目の前の公演の準備を進めつつ、
数ヶ月先、一年先、数年先の準備もしなきゃいけない。
シビアな会計を処理し、いくつもの予算を成立させていく。
そんな、事前の事ごとが決まっていないと、
公演なんかできない。

それもゆーこちゃんがてきぱきとこなしていく。
小さいのに。

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「ゆーこちゃん、小さいね」と言うと、
「そんなことないですよ」と威張る。小さいのに。
安部公房好みの少し垂れた目の奥に、時々ピカッとする怜悧な光を
ぼくは知っている。

8月の見沢さんの生誕50年企画。
3月の舞台の稽古と並行しながら準備を進める。
やりたいことがたくさんある。
あれやりたい、これやりたい、とゆーこちゃんに言うと、
「ダメです! 予算が立ちません!」と言う。
そりゃそうだ。
予算が立たなきゃなんにもできない。
そう言われると、尻尾を巻いて引き下がる。

引き下がりながら、うーん、何か手がないかな、と考える。
ここから考えるのが、ぼくの仕事か、とゆーこちゃんはきちんと思わせてくれる。
先日、そんなゆーこちゃんの誕生日。
ケーキに群がる劇団員はいつものようにがつがつむしゃむしゃ軍隊蟻。

劇団再生で年を重ねたゆーこちゃん。