チェブとシェリー

2010年1月27日 22:50:43

写真

脚本を頭から読み返す。
一回読むのに2時間はかかる。
一度読んで疲れ果て、疲れついでにもう一度、と。
何度も何度も繰り返す。
繰り返さなければ見えない何かがあるものだ。

机の横に何十冊もの本が積まれている。
鈴木さんとのトークで使う資料を精査している。
貼られている付箋は何百何千。
そのページを一ページずつ確認していく。
何千ページの何万の言葉くらい一回で頭に入ればいいのに、
何度も読まないと見えない何かがあるもんだ。

体の中で何かが暴れる。
痛みと不快感。舌打ちしか出てこない。

百回目の舌打ちをしたら、パソコンから「シェリー」が流れた。
わかってる、わかってるから、もう本とにわかってるから。

俺は転がり続けて こんなところにたどりついた
俺は焦りすぎたのか むやみに何もかも捨てちまったけれど
夢を求めるならば 孤独すらおそれやしないよね
あわれみなど受けたくはない 俺は負け犬なんかじゃないから

俺はうまく笑えているか
俺の笑顔は卑屈じゃないかい
俺は誤解されてはいないかい
俺はまだバカと呼ばれているか
俺はまだまだ恨まれているか
俺に愛される資格はあるか
俺は決して間違っていないか
俺は真実へと歩いてるかい

曲の中で、一つずつ答えていく。
Yes,No

愛される資格? あるか、そんなもん。
尾崎は次の設問を一人答える。「一人で生きるなら・・・」と。
今日一日でどれだけの言葉を読んだだろう。
俺の言葉を何度呼んだだろう。

読みすぎて、視界が狭くなっていくのがわかる。
窓を全開にして、空気を入れ替える。
ゆっくりと深呼吸して、視界を取り戻そうとする。
まぶたの痙攣。顔表面の軽い痛み。

体の中で暴れる奴ら。痛みと自己破壊衝動。

何かを取り戻さなきゃ、と、チェブラーシカをセットする。

チェブの奴が、転んだ。