佐渡という大陸
2010年8月28日 18:35:56
一つの公演を終え、次に向かう
書きかけの脚本を前に
劇作家伊藤正福氏と交わした多くの言葉を思い出す
北一輝の墓前で手を合わせ
順徳天皇火葬墓を歩き
両津の海を泳ぎ
拉致現場を訪れ
深更まで語り合い
そこには常に言葉が手を合わせ
いっそのこと佐渡に住んでもいいな、と思い
もう何枚まで書いたのかわからない次の舞台の脚本を前にする
カーフェリーから見えた佐渡は太宰の感じたように大陸だった
来年はもっとゆっくり滞在できるといいが、とカレンダを確認してみたり
強行軍だった今年の佐渡行
そのどこにも色褪せた時間はなかった
深夜バスもフェリーも軽自動車の車内も
佐渡のいたるところのいたる時間も
どこにもどこにもつまらない時間はなかった
なにもかもが嬉しい時間だった
来年はもっと長く語り合いたいが、と思い
いつか、佐渡に移住するか、と思い
今日もまた原稿用紙を前にする