高い場所

2012年8月5日 00:00:53

足をぶらぶらさせて眺めている

この場所から眺めている

共通言語を共有しても伝わらないことは伝わらない

道具としての言葉

というのも使い古された言い方だが道具も使い方次第

言葉で人一人殺すのは簡単だ

そして同じ理由で言葉では虫一匹殺すこともできない

言葉以外の強力な武器を探し使い利用しこの場所まで来たが

何の事はない

ここで足をぶらぶらさせているだけだ

砂の城を作っては自分の足で踏みつけ崩してきた

ぼくの声が跳ね返ってきてもまた跳ね返しこの場所に来たが

何の事はない

足をぶらぶらさせているだけだ

ベッドにひっくり返りこうしてこれを書いている今も足をぶらぶら

もし明日がやってくるとすればきっと明日もここで君を見ているだろう

時間の始まりの最初の一点

ようやくその姿を見ることができたのに

それを描く筆がない腕がない絵の具がない

ないない尽くしだがそれも慣れたこと

いつだって最初はなんにもなかった

いつだって目の前に階段は見えなかった

見えなかったがなかったがこうして今も足をぶらぶら

きっと100年後にはその画を描いているだろう

きっと1000年後にはその画を描くための筆も腕も絵具も揃っている

描いた画を観てこんなもんか

出来てしまえばつまらんなと足をぶらぶら

ゴッホ

ゴヤ

ゴーギャン

姿が見える

ぼくは決して理解を求めはしない

けれどもそこへの飛躍がないという現象には不思議を覚える

不思議なことは知りたい

知らないことは知りたい

見えないものを見たい

それだけなのにな

ほんとにそれだけなのに

ただそれだけなのに